ジェシカ・H・ヨンソン博士

略歴

ジェシカ H.ヨンソン博士は、スウェーデンのオレブロ大学の法学 部、心理学部、社会福祉部の准教授兼研究員です。ミッドスウェーデン大学で博士号を取得 し、国内および国際的な現場実習を指導し、大学院レベルで学生をスーパーバイズしまし た。彼女は、世界的な社会問題、持続可能な社会開発、貧困緩和、亡命希望者と難民の移住 と受け入れ、および教育と実践を含むソーシャルワークの全国的な組織(脱組織化)を研究 してきました。彼女は主にコミュニティワーク、移民、世界的な社会問題の分野で教鞭をと っています。 ヨンソン博士は、ソーシャルワークの教育のために、最近数十年間の新自由

主義のグローバル化によって強化されてきた西欧中心主義の問題に取り組んできました。彼 女は、スウェーデンで世界的な反人種差別的な内容を備えた進歩的な教育プログラムを確立 した有力な研究者の一人です。 また彼女は、同僚と協力し、批判的、グローバル、ポスト 植民地主義の視点を含むソーシャルワーク・カリキュラムを開発しました。彼女の近年の研 究テーマは、国際現場実習における、人権と社会正義の実現に関する学生の自己評価と倫理 的、批判的意識についてです。

IASSWの将来構想

現代の教育はエンパワーリングであった反面、ポスト植民地主義の不平等を再現する手段に もなっています。ソーシャルワーク教育も例外ではなく、西洋諸国の社会経済的、政治的、 文化的権力構造の影響を強く受けています。多くの西欧諸国のソーシャルワーク教育は、植 民地時代の過去と現在に続く植民地主義の影響を強く受けています。ただし、西欧中心主義 は、西欧の教育や研究領域に限定されず、多くの非西欧諸国に輸出されています。私は同僚 と一緒に、ソーシャルワーク教育における西欧中心主義の問題を調査研究いたしました。こ れは、最近数十年のグローバル化と新自由主義によって強化されてきたものです。私は、ス ウェーデンでグローバルかつ反人種差別主義者に焦点を当てた進歩的な教育プログラムの設 立に貢献した研究者の一人です。

ソーシャルワーク教育におけるこのような批判的かつ進歩的な視点は、右翼の人種差別主義 者とポピュリズム党の選挙における躍進と西欧の大学への影響から、深刻な攻撃を受けてい ます。こうした破壊的な動きは、高等教育やソーシャルワークの実践における新自由主義的 な影響によって強化されています。ソーシャルワーク実践のあらゆる側面における市場化、 民営化、および新しい公共マネジメントの定着は社会問題の増大につながり、ソーシャルワ ーク介入の必要性が高まっています。しかし、北欧諸国の最も発展した福祉国家でさえ生じ ている、最も貧しい人々を保護する伝統的な福祉国家の役割の後退は、ソーシャルワークの

現在および将来の役割に大きな課題を生み出しており、それは研究と教育の焦点でなければ なりません。

IASSW は、新自由主義が人間の生命を脅かし、グローバルなルーツをもつ社会問題が増大す る時代において、ソーシャルワーク教育の脱植民地化と批判的かつ進歩的な視点を促進する 上で中心的な役割を果たすと信じています。ソーシャルワークは、国境を越えてグローバル な世界で働くために必要な十分な知識とスキルを備えた将来のソーシャルワーカーを教育 し、理論武装させるべきです。 IASSW は、ソーシャルワークを脱植民地化し、社会的不公 正と構造的不平等に対処する際のグローバルな連携を構築する上で果たす重要な役割を担っ ています。これに対する IASSW のコミットメントは、最近のポリシー文書に反映されてい ます。理事会のメンバーとして、私はグローバルなレベルで同僚と協力して、解放的な脱植 民地化の理論化と目標の遂行を後押しする、IASSW 憲法、グローバルソーシャルワークの定 義、ソーシャルワーク教育とトレーニングのグローバル基準、グローバルアジェンダ、およ びソーシャルワーク倫理原則に関するグローバル声明に反映される IASSW のビジョンの強 化を図ります。